歯を抜く必要があるのか。手術を組み合わせる治療なのか。それとも、矯正装置だけで対応できるのか。歯並びを相談するときには、装置の見た目や費用だけでなく、自分にどのような治療が必要なのかを知りたいものです。東京都墨田区・錦糸町のプロ矯正歯科で診療する田中憲男院長は、大学時代から顎変形症を研究テーマとし、開業後も外科的矯正に取り組んできました。診断に基づく治療計画、装置の使い分け、そして一人ひとりの時間を守る予約の考え方について伺いました。
01 顎変形症への取り組みは、大学時代からのライフワーク
外科的矯正に取り組むようになった背景を教えてください。
田中先生 大学に残って勉強していたころから、顎変形症が自分の研究テーマでした。学位論文を含めてこの分野で論文を書いてきましたし、それが自分のライフワークになっています。プロ矯正歯科という名前で開業した背景にも、この分野に取り組んでいこうという思いがありました。大学時代から学んできたことを、開業後の診療にもつなげているということですね。
医院公式サイトから|外科的矯正とは
矯正治療だけでは十分な噛み合わせを得ることが難しい場合に、手術を組み合わせて改善を目指す治療です。同院では、あごの機能や骨格の状態を調べたうえで、治療の必要性を判断する方針を案内しています。
取材本文 / 他分野との連携と、診断の考え方
02 外科の先生から託される治療に、責任を持つ
手術を担当する先生との関係で、大切にしていることは何ですか?
田中先生 手術をする先生が私を信頼して、患者さんを紹介してくださることは、自分にとって大きなやりがいです。その信頼に応えることを大切にしています。私を指名して紹介してくださるからこそ、自分自身が治療にきちんと関わっていきたいと思っています。患者さんに喜んでいただくことはもちろん、紹介してくださった先生にも、任せてよかったと思っていただけるように向き合っています。
医院公式サイトから|大学病院でのチーム診療の経験
公式プロフィールでは、昭和大学口唇口蓋裂・顎変形症チーム(SCPT)に所属し、形成外科・口腔外科とのチームアプローチに従事した経歴が紹介されています。現在の医院方針としても、形成外科医・口腔外科医との連携診療を掲げています。
03 「抜く・抜かない」も、希望だけでは決めない
歯を抜きたくないという希望には、どのように向き合っていますか?
田中先生 歯を抜かなくても治療できそうな場合と、抜歯をしなければ難しい場合があります。その境目には、症状や治療の技術による幅もありますが、希望に合わせるために無理な治療計画を立てることはしません。以前は、抜歯が必要と考えたケースでも、患者さんの希望を受けて抜かずに進めたことがありました。ただ、うまくいかなかった経験もあります。経験を重ねるなかで、自分ができることと、無理のあることが見えてきました。矯正の診断には、根拠があります。無理な計画で始めれば、結果にも無理が出てしまう。何年もかかる治療だからこそ、最初にその方に合った計画を考えることが大切だと思っています。
難しいと言われた歯並びについても、相談できますか?
田中先生 他の医院で治療が難しいと言われた方についても、治療できるかどうかを考えています。ただし、それはご希望の方法を何でも引き受けるという意味ではありません。私が診断して立てた治療計画を理解し、同意していただけることが前提です。同院は、他院での診断や治療方針に不安がある方のセカンドオピニオンも案内しています。希望どおりの診断や、非抜歯での治療を約束するものではなく、検査・診断に基づいて選択肢を検討する相談です。
取材本文 / 装置の選択と、患者さんの時間
04 マウスピースもワイヤーも、症状に合わせて選ぶ
マウスピース矯正について、現在はどのように考えていますか?
田中先生 以前から取り組んできましたが、自分の診療では、計画どおりに歯が動かず、途中からワイヤーを使う治療に切り替えたケースもありました。患者さんがきちんと装着していても、装置で対応できる範囲の問題から、予定どおりに進まないことがあります。だからといって、マウスピース矯正が一律にだめだという話ではありません。患者さんの希望と、自分が経験してきた症例を踏まえ、その方法が合っていると考えられる場合には、現在もマウスピース矯正を行っています。当院では難しい症例の相談もあるので、どの装置でも同じように対応できるとは考えていません。装置の名前を先に決めるのではなく、その患者さんに合うかどうかを見極めることが大切です。ここで紹介しているのは、田中先生ご自身の診療経験と選択方針です。特定の装置全体の優劣や、すべての患者さんに当てはまる治療成績を示すものではありません。
05 予約を詰め込まないのは、一人ひとりの時間を守るため
予約の取り方にも、はっきりした方針があるそうですね。
田中先生 無理やり予約を入れることはしません。いま治療を受けている患者さんがいて、その方の治療が終わって枠が空いたら、次の患者さんを受け入れるという考え方です。夕方だから、土曜日だからといって、その時間帯にたくさん詰め込むこともしません。10 時の予約なら 10 時に診る。その方の時間を大切にしたいですし、患者さんにも予約の時間を大切にしていただきたいと思っています。治療にはお互いの時間が必要ですから、予約枠をきちんと取るという方針は崩さないようにしています。
成人の方は、どのようなきっかけで相談に来られますか?
田中先生 長年歯並びに悩んでいて、何かのきっかけで治したいと思われる方がいます。結婚や就職が決まったり、長く住む地域が決まったりと、生活の変化がきっかけになることもあります。相談ベースでは、大人の方が多いですね。受診を検討する方へ初診予約の空き状況は時期によって変わります。受診を検討する際は、公式サイトの診療日程を確認のうえ、医院へお問い合わせください。
取材本文 / 治療を続けるための連携
06 引っ越しがあっても、治療をつないでいく
矯正治療の途中で、転勤や引っ越しが決まった場合は?
田中先生 国内には、引き継ぎを相談できる先生方がいます。転勤や引っ越しが決まった場合には、そうした先生につなぐことができます。海外については、対応できる場所が限られるので、行き先に応じた相談になります。私は日本臨床矯正歯科医会に所属していて、会員の先生方と集まる機会もあります。そうしたつながりのなかで、患者さんの転院や、万が一診療を続けられなくなった場合の治療の引き継ぎを、互いに支える仕組みがあります。
編集部補足|転医と治療継続を支える仕組み
日本臨床矯正歯科医会の会員医院情報で、田中先生とプロ矯正歯科の掲載を確認しました。同会は、転居に伴う「転医システム」と、主治医の事故・病気などに備える「治療継続支援システム」を案内しています。具体的な紹介先や引き継ぎは、個別の状況に応じて確認が必要です。転医では、治療内容の資料や紹介状、支払済みの費用と精算内容などの共有が必要になります。転医先で新たな費用が発生する場合もあるため、無条件に同じ費用・同じ計画で治療を続けられるという意味ではありません。治療法だけでなく、その判断の理由を知るために田中先生が繰り返し語っていたのは、難しい治療に向き合うことと、無理な治療計画を引き受けることは別だという考え方でした。歯を抜くかどうか、どの装置を使うか、手術を組み合わせるか。その判断は、患者さんの希望だけでも、装置の種類だけでも決まりません。研究と臨床で得た経験を、診断と治療計画に生かす。そして、予約の時間を守り、転居などで環境が変わったときにも治療の引き継ぎを考える。そこに、プロ矯正歯科の診療姿勢が表れています。「あごや噛み合わせも含めて相談したい」「提案された治療について、別の視点から説明を聞きたい」。そんなときには、まず現在の状態と、考えられる選択肢を確認するところから。治療を決める前に、その方法が必要な理由を理解するために、同院で相談することも一つの選択肢です。
掲載用プロフィール・医院情報 / 公式情報からの補足
お話を伺った先生
田中 憲男 先生
プロ矯正歯科 院長/医療法人社団憲風会 理事長
日本矯正歯科学会 認定医/歯学博士。公式プロフィールに掲載された学歴・経歴を年月順に整理しています。
| 年月 | 公式サイト掲載の主な学歴・経歴 |
|---|---|
| 1989年 | 昭和大学 入学 |
| 1992~1994年 | 昭和大学 特別奨学生 |
| 1995年 | 昭和大学歯学部 卒業 |
| 1995年4月 | 昭和大学歯科矯正学教室 入局(臨床研修医) |
| 1997年 | 員外助教 |
| 2001年 | 助教 |
| 2004年4月1日 | プロ矯正歯科 開設 |
| 2007年9月 | 医療法人社団憲風会 理事長に就任 |
所属・活動:日本矯正歯科学会、日本口蓋裂学会、日本顎変形症学会、日本顎関節学会、日本歯科医師会。日本臨床矯正歯科医会の会員医院情報にも掲載されています。
プロ矯正歯科|医院情報・相談窓口
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土 9:00~13:00/14:00~18:00
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